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ゴミ捨て場から戻り、勝手口から上がり込むと4匹の猫が揃って出迎えてくれた。
ピシッと背を伸ばしお座りで見上げる三毛猫の周りをシッポをピンと立てまとわりつく白猫も目線だけはこちらをむいている。横たわる鯖柄の横で茶虎がごろんと腹を出して招く。
「ただいま。ちょっとまってね。」
「なんっ!」
三毛猫の良いお返事に出迎えは終わる。足裏で茶虎をおざなりに撫で動かない鯖柄を避け、なうなうじゃれる白猫には猫じゃらしを一本投げた。穂先を咥えふんすふんすと鼻息荒くカラカラカラカラ棒をひきずり駆けてゆく。鯖柄も茶虎も棒で釣れてお勝手口は三毛猫だけになった。
「ただいま。みけさん。」
手洗い、うがいを台所で済ませたら朝ごはんだ。シリアルに豆乳をかけ、冷凍庫のアイスクリームをのせる、ただそれだけ。
「なぉ!」
「はいはい、ちょっとまってね」
冷気でパリパリと凍った豆乳を小皿に掬ってお裾分け。みけさんは豆が好きだ。
「なーぉ」
「うまいか。そうか。」
甘味に満足したあとは、ちょちょいと前足で玩具を転がす。興にのりお尻をふりふり、からの両前足キャッチ。ポーンと放り投げてはまたそれを追いかける獲物遊びが始まった。
「うわ、みけさん、テーブルはだめ」
ポンポンと跳ねて転がったネズミの玩具のシッポをつまんでぷらぷらと揺らしてあげるとみけさんは「ぅうぁうなぅ」と愉しげに鳴いた。かわいいなぁ。しかしよく出来てる玩具だ。ウサギ皮だったっけ?前足の丸まった先に爪までついてて、、シッポ、、ぺらんとした皮じゃなかった?これ素材感が爬虫類的な、、違う。なんか目をつぶってらっしゃる。玩具。あたしが与えた玩具ネズミでは無いな、これ。
「みけさん、、」
「なーう。なーお!なー」
「少しだけアイス食べよ?はい、どうぞ。」
「なう!」
後で歯磨きさせなきゃなあ。
窓から、蛇が隠れた石壁に向かって、玩具にされ儚くなったネズミをぶん投げた。あたしはシャワーに行こう。
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