12人が本棚に入れています
本棚に追加
ダースベーダー
唐突に思う。芝生は刈るから芝生でいられる。伸び放題のソレはさながら穂の無い麦畑。悩む。刈るか抜くか。いやまて。刈り揃える技術力があるのか。まずは鎌でいいの?剪定ハサミ?あとは体力。気力。梅雨の晴れ間。蒸し暑い。日焼けするのいや。蚊も本気で対策してからじゃなきゃ。
とりあえずだ。とりあえず落ち着け。先日、激しい動揺とともに半分ばら撒いてしまったバークチップを満遍なく広げよう。
その周囲。ふぁさふぁさと風に靡く膝丈まで伸びた芝生になるはずの、、なんだろう?芝??
ああ、広げ終わってしまった。もう少し足すにはこの芝問題を片付けなきゃなぁ。
靡く様がキラキラ綺麗でほんの一房だし、と放置してから3年。庭の半分がさわさわと靡くまでに広がった。種を飛ばす生き物は恐ろしい。
何もしなくても季節は過ぎてくのね。
「こんにちは!!なにしてるんですか!!」
「ひっ」
「こんにちは!」
「、、こんにちは。お帰りなさい?」
よろめきながら立ち上がって開けた庭先に移動する。黄色い帽子のがきんちょ3匹も移動する。
「なにしてるんですか!」
「ええっ、、と」
「なんか良い匂いがする!!」
「ホントだ!匂いがする!」
「良い匂い!!何の匂いですか!!」
「ええっ、、と」
匂い?!匂いですか!?なんの?!なに?!!
「あぁバラかなぁ」
違うよね!!だってその君たちの目の前四季バラ香らない品種だもん!知ってるわ!だけども!沈黙しないで怖いよ君たち!!
「ちげーよ!」
「違う!」
「もっと良い匂い!!焦げた匂いがする!」
大人の対応してくれない!!許して!!沈黙からの罵倒!!ひどすぎません?!
オネーサンなけなしの愛想笑いも引きつるわ。
最初のコメントを投稿しよう!