ダースベーダー

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ダースベーダー

唐突に思う。芝生は刈るから芝生でいられる。伸び放題のソレはさながら穂の無い麦畑。悩む。刈るか抜くか。いやまて。刈り揃える技術力があるのか。まずは鎌でいいの?剪定ハサミ?あとは体力。気力。梅雨の晴れ間。蒸し暑い。日焼けするのいや。蚊も本気で対策してからじゃなきゃ。 とりあえずだ。とりあえず落ち着け。先日、激しい動揺とともに半分ばら撒いてしまったバークチップを満遍なく広げよう。 その周囲。ふぁさふぁさと風に靡く膝丈まで伸びた芝生になるはずの、、なんだろう?芝?? ああ、広げ終わってしまった。もう少し足すにはこの芝問題を片付けなきゃなぁ。 靡く様がキラキラ綺麗でほんの一房だし、と放置してから3年。庭の半分がさわさわと靡くまでに広がった。種を飛ばす生き物は恐ろしい。 何もしなくても季節は過ぎてくのね。 「こんにちは!!なにしてるんですか!!」 「ひっ」 「こんにちは!」 「、、こんにちは。お帰りなさい?」 よろめきながら立ち上がって開けた庭先に移動する。黄色い帽子のがきんちょ3匹も移動する。 「なにしてるんですか!」 「ええっ、、と」 「なんか良い匂いがする!!」 「ホントだ!匂いがする!」 「良い匂い!!何の匂いですか!!」 「ええっ、、と」 匂い?!匂いですか!?なんの?!なに?!! 「あぁバラかなぁ」 違うよね!!だってその君たちの目の前四季バラ香らない品種だもん!知ってるわ!だけども!沈黙しないで怖いよ君たち!! 「ちげーよ!」 「違う!」 「もっと良い匂い!!焦げた匂いがする!」 大人の対応してくれない!!許して!!沈黙からの罵倒!!ひどすぎません?! オネーサンなけなしの愛想笑いも引きつるわ。
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