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NPCの門番が守る白い門を通りぬけると、舗装されていない道が青々とした草原と森、畑を縫うように伸びている牧歌的な光景が広がっていた。
RPGにありがちなフィールドだね。でも、ありがちは悪くないと思う。鬼畜ゲームの中には、いきなり火山地帯とかもあるらしい。初心者相手に、酷過ぎる話だ。
――そんな話を思い出しながら、私は人を避けて先へと進む。
ここへきたのは、手に入れたスキルを試すのと、バトルをしてみるためだ。
まず、どの程度ソロでやれるのか。その結果しだいで、方針を考えよう。
「一人で戦闘がキツイなら、生産職でもやってみようかな」
もしくは、ひたすらのんびりのスローライフを満喫してみるのもいいかも。まあ、バトルの結果しだいだよね。
ちらほら見えるプレイヤー達を避けて歩き続けると、まばらに木々が立つ林のような場所に出た。
更に奥には森が見えるけど、あそこに踏み入るのはまだ早いだろうな。
ここには何かいないかと探してみたら、――居た! モンスターらしき謎物体を発見!!
それは、足の変わりらしい二本の根っこで歩く、ふわふわの白い綿毛に包まれた頭部を持つ植物だった。 ……タンポポ? どう見てもタンポポにしか見えない。ただし、異様にでかいけど。
少し距離があるので正確にはわからないけど、多分私の腰くらいの大きさはある。しかも、動きが奇妙。
……なんでタンポポなのにうねうねしてるの?
「光合成中、とかかな……?」
なんでうねる必要があるのかはわからないけど。
タンポポの頭上には、体力ゲージが浮かんでいる。 その色は、青。モンスターのゲージは、プレイヤーよりレベルが上なら赤、同等なら青、下なら緑になるらしい。あのタンポポは、微かに緑がかった青なので、初心者向けのモンスターだと思う。
まだ気付かれてないみたいだし、一匹……一輪? みたいだし。――よし。
チャレンジ。してみよう。
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