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次の授業は体育だった。
今の種目はバドミントン。
ちなみに私は去年トーナメント戦で最下位。
体育は最悪に相性が悪い。
憂鬱な気持ちで試合を見ていたら、ルカが近づいてきた。
「さっき何してたの?」
「さっき?」
「早川にいわれてたやつ」
「あー…絵しりとり」
暇かよ!?と爆笑される。
「てかヨユーだよねえ、これだから頭いい人たちは」
「いや、私よくないし」
「クラストップ10に入ってんのに何言ってんの」
彼女はこういうところが少し面倒。
だけどなんとなく一緒にいる。
嘘だ。
私が計算して近づいたのだ。
この子と仲良くなれそう…って。
はじめに一緒にいた人の中に生理的に受けつけない子がいた。
だからこいつに乗り換えた。
高校最後の年を嫌いな人と過ごすほどもったいないことはない。
「あ、姫が試合するっぽい」
ルカの声で姫を見る。
可愛いから姫。
あの子は本当に可愛い。
可愛いという言葉では足りないほど。
顔だけじゃない、何から何まで完璧。
「よろしくお願いします」
姫が声を出した。
彼女の声は鈴のようだが凛としている。
男がみんな彼女を見るのが分かる。
「姫~!!がんばって!!」
余計な女の声が入った。
ため息をつきたくなる。
私が生理的に受けつけない女。
私ははじめ、姫と受けつけない女と一緒にいた。
天国と地獄。
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