ヒカリ

わたしのこと

人を皮肉る脳はあるのに、一向に頭はよくならない。

いや、人を皮肉ってるから馬鹿なままなのかな？

今日のことを思い出しながらぼーっとスライドを見る。

目の前では塾長が熱弁をふるっていた。

電気を消された部屋で、スライドだけが光っている。

私はあおいくんという家庭教師では飽き足らず、なんと塾にも通っていた。

個別に映像授業を見ることができる塾だ。

学校で疲れているのに放課後塾に行き勉強をしなければならない。

皮肉ではなく受験生というものを尊敬したくなる。

崇めたい。アーメン。

…馬鹿なことを考えている間にだいぶスライドが進んでいた。

事前に渡された資料をめくる。

そこにはここの塾から見事第一志望校に入った人の写真が映っていた。

その人の成績の伸び方が書かれている。

「みなさん、まだ1学期なので焦る必要はありません。次の模試で成績が伸びなくても大丈夫です。なので緊張せずに受けましょう。自然体を心がけることが本番にもつながり…」

今週末の模試に向けての激励会のようなものだった。

こんなよく分からない時間を過ごすくらいなら英単語を覚えていたほうがマシ。

第一志望を合格した人の模試の結果を一通り説明してから激励会は終わった。