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青年の名前はロイドと言う。もっとも、本当の名前かどうかは定かじゃない。ロイドはこの辺りの街を牛耳っているマフィアに雇われた、殺し屋だった。
ロイドの所に「死神」を殺すように命令が来たのは、つい数日前の事だった。
「死神」の被害が明るみに出たのはもう何か月も前だった。ただ、ロイドを雇っているマフィアがそれを危険視しだしたのは、「死神」の被害が仲間の内から出てからのことだ。
雇い主は、「死神」が隣街の、今現在抗争しているとあるマフィアの手先だと疑っているらしい。
「死神」は殺し過ぎたのだ。
市民からも、もう「死神」の目撃情報は何件か挙げられていた。いくら少女の見た目が「死神」のイメージからかけ離れたものだとしても、その内「死神」の正体は明るみに出るだろう。
ロイドが手を下さなくても、少女はいずれ世間に殺される。この街に、「死神」の居場所はもう、どこにもない。
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