双子座の片想い

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<19>  翌朝俺は両親に直談判した。  ちなみに春樹は未だベッドの中に沈み込んだままだ。  「春樹を俺の恋人にしたいんだ。父さんも母さんも許してくれる?」  父さんはソファで読んでいた新聞に噴き出したコーヒーをぶっかけ、目を白黒させて驚いていた。  「なっ・・・ななな!急に何言いだすんだ・・」  ただ、母さんは違っていた。  「アハハッ、そろそろ白旗あがる頃だと思ってたわ。親葉のその年頃で、春樹の添い寝は堪んなかったでしょう?よく今まで我慢できたわね~お利口さん」  全て言い当てられて、思わず顔を真っ赤にしながら尋ねた。  「母さん・・・まさか、知ってた訳?」  母さんはからから笑った。  「知ってたわ、勿論。アンタが初めて春樹を見た時の顔忘れる訳無いじゃない。あれからアンタ、春樹にずっとベッタリだったし」  「チックショウ・・・やっぱ性格悪りいなこのクソババア」  「煩い、あんな物欲しそうにシッポ振りまくってるアンタが悪い」  俺と母さん二人のやり取りを黙って聞いていた父さんが、急に笑い出した。  「ふふっ、あははハハッ。何だ、お似合いだとは思っていたけれど・・・まさか、自慢の息子の方の一目惚れだったとはねぇ」  「そうでしょ?年齢差さえ気にならなければ、こんないいカップルいないって思うわよね」  母さんも笑う。  「春樹は本当に真面目でいい子だ。誰に対しても優しくて温かい。それに、子供に随分好かれていると聞くし」  「ええ、子供って・・大人の嘘や汚さを直ぐ見抜いちゃうから。まして心に傷を持つ病棟の子供達に好かれてるんなら、春樹は本物よ」  「そうかぁ~、だからお子ちゃまの親葉が一目惚れしちゃったんだなぁ・・」  「そうねぇ~。でももうママのおっぱいより、春樹の腕の中が良いのね~残念」  ニヤニヤしながら両親に馬鹿にされ・・・・流石に頭にきた!  「うるせえ、ジジイもババアも黙りやがれ!見てろよ、俺だって頑張って勉強して春樹に見合う立派な医者になってやるからな!!」  二人が顔を見合わせて、ゲラゲラ笑った。  「ですってぇ~、録音でもしといた方が良かったかしらぁ?」  「まあこう言ってる事だし?僕達は高みの見物とさせてもらうとしようか~」  「ぐぬぬぬぬぬぬ・・・・・」  俺が歯ぎしりしていると、父さんがソファから立ち上がり、俺の肩をポンと叩いた。  「春樹が良いと言うんなら、セックス位は仕方ないかな」  「まあね~、据え膳もこれだけ我慢したんだから。それにこの年齢の子達のセックスなんて、運動みたいなモノだし?良いんじゃないかしら」  母さんはそれだけ言うと、朝食を作る為に後ろを向いてしまった。  父さんがにっこり笑った。  「10歳差なんて気に無くていいから頑張ってみなさい。但し、セックスは合意の上で!いいね?」  「了解!」  俺は無事、春樹にアタックする許可を得た。  ・・・でももう、それだけでも天にも昇る気持ちだった!    春樹はあの日から夜勤で、今日帰宅の予定だ。  もう俺は舞い上がって、舞い上がって・・・。  この二日間、アメフトでくたくたになる迄身体を酷使しなかったら、この有り余る性欲を散らせなかった。  もうその位、俺は春樹をただひたすら待ち焦がれていた。    その日の夜も自慰を始めた(ようとしていた)春樹に、俺はプロポーズした。  10も離れた俺からの告白に春樹は戸惑っていたが、拒絶はされなかった。    そのまた二日後。  春樹は俺のプロポーズをを受け容れてくれ、セックスした。  ・・・・もう、気持ち良さと嬉しさで・・天にも昇る気持ちだった。  何より、春樹はイキ顔がめっちゃエロかった。  あの綺麗な顔が、トロットロになるとあんなエロい事になるのがまた衝撃的で・・。  俺はこれで、更に春樹にのめり込んでしまいそうだ。  なんだかんだ言って、俺はその日晴れて七年越しの片思いを実らせる事が出来た。    それからは毎日が更にバラ色だった。  もう最初からもろもろ通り越している俺達には、越えるべき障壁は既に無いに等しい。  しかし、付き合うという事は更にその上の特典があるという事なのだ!  既にウチの家族の一員である春樹と、毎日一緒に居られるだけでは無い。  親公認で同じベッドで寝て、セックスし放題、更に親公認で家の中で毎日イチャつけるのだ。  唯一の残念ポイントは、未だ研修医である春樹にプライベートな時間は無いに等しい事。  俺達は散々身体は繋げ合えているというのに、デートすらまともにした事が無いというのは・・俺的にかなり淋しかった。  だから、春樹に  「誕生日プレゼントは何が良い?」  そう尋ねられ、即答で  「二人っきりで丸一日デートがしたい!」  そう答えた。    7月28日。  俺の誕生日の日。  その日春樹はわざわざ俺の為に休みを貰ってくれていた。  初めての二人きり。  俺達はその日の午前中、遊園地でブラブラしながら色んな事を話した。  日本ではどういう暮らしをしていたのか。  テニスはもうしないのか、とか基本当たり障りの無い事。  その中で特に俺が聞きたかった事。  何時も口にする”冬馬”について。  ・・・でも表立って春樹がその名を口にした事は無い。  その名を呼ぶのは夢の中、と大抵決まっていた。  だから・・それだけは、どうしても聞けなかった。  その代わりに。  午後に春樹が俺を誘って、近場のモーテルへ連れてってくれた。  「たまには親の目の無い違う場所でしたいだろ?」  だって。  ・・・もう、俺の思っている事をズバズバ言い当てられて、本当に困る。  春樹は慣れた手つきで手続きを済ませて、部屋の鍵片手にさっさと入室してしまった。  俺が躊躇いがちに、  「何でそんなに慣れてるのさ?」  と尋ねたら・・春樹はやや顔を赤らめながら、くすっと笑った。  「ハイスクール時代、男漁りの延長でついつい覚えてしまったんだ」  だと・・・。  俺がどういう顔していいか分からなくて悶々としていたら、  「ほら、鏡見ながらするセックスって燃えるだろ?・・って昔の男が言ってたからさ」  とか軽い感じで言われてしまった。  そんなカミングアウトはいらない!・・・と思いつつも、「俺もそう思う!」と感じてしまう、悲しい位ヤりたい盛りの16歳・・・。  俺は春樹のシャワーの間中、ひたすらソワソワして落ち着かなかった。  漸く(と言っても10分程)春樹がバスタオルを巻いて出て来た時には、春樹の包まれたそのバスタオルの包みを思いきり持ち上げてベッドに直行した。  そして春樹を半ば乱暴にベッドに横たえ、  「俺の前で過去の男の話とかすんな!俺は今の春樹さえいればいいんだから」  そう強めに言いながら、俺の股間は悲しいくらいギンギン(失笑)だ・・。  「嬉しいな、嫉妬とかしてくれるんだ?」  春樹はクスリと笑い、覆い被さった俺の背に腕を回して・・唇をそっと合わせてくれた。  唇を何度も軽く吸いながら、徐々に舌を絡めて・・。  その表情がやたら蠱惑的で、つい先日までチェリーだった俺には刺激的過ぎる。  今でも、俺はその時の表情を思い出しただけでイケる位エロい表情だった・・。  ふわりと、身体中から美味しそうないい匂いがして来る。  特に、うなじや股間、胸なんかから・・・もう堪らない。  俺は眼前の小さなピンクの突起に、もうむしゃぶりつく様に吸いつき、なりふり構わず舐め回した。  すると・・さっきまで余裕ぶっこいていた春樹の表情が、急に切ない表情に変化した。  俺はすかさず、もう片方の尖りを指でつまんでは捏ね・・を繰り返した。  すると・・。  春樹が突然、  「駄目もう、そこは・・・・うあああっ!」  身体をふるふる震わせながら身を激しく撓らせた。  春樹は俺でも驚く位簡単にイってしまった。  その時春樹の股間の肉茎は、一足先にシャワーを浴び終えた俺の腹に呆気ない位の速さで白い粘液を吐き出した。  そこで俺はつい、意地悪な考えを巡らせてしまった。  その粘液を、俺の滾りまくった肉茎に塗りたくり・・。  未だ肩で息をする春樹の窪みにそのまま突き込んで、間髪入れずにガンガン突いてみた。  ・・当然の様に、春樹の窪みは濡れそぼってトロトロになっていた。  すると、春樹は未だイってる最中だったらしく・・。  「ひっ!まだ、入れたら・・・・は、やあああっ!」  またもがくがく身を震わせ、背を撓らせてイってしまった。  俺の腹に、またも白濁した粘液が放たれた。  俺はニヤリと意地悪くほくそ笑む。  その間も俺の腰はせっせとガン掘りを続けている。  「あっれ~?俺みたいなガキにそう簡単にイかされたりしないんじゃ無かったの~?」  俺は口で意地悪な事をほざきつつ、春樹に身体を密着させて更に身体を上下に動かし続ける。  その腹の間で潤滑剤代わりの粘液が、春樹の肉茎に絡みつき、俺と春樹の腹の間では春樹のモノが挟み込まれる形で上下していた。  それには春樹も堪らなかったらしく・・。  「あんっ・・・はああっ!イっちゃう、ああああああ!」  俺の背に必死にしがみつきながら、何度も涙目で絶叫していた。  ・・・もう俺は春樹を何度もイカせまくっていた。  だが、俺のゴールはまだ遠い。  ふと、さっきの話の鏡が気になった。  このモーテルの部屋には、ベッド前部とその真後ろに大きな鏡が付いている。  俺は春樹の窪みからいったんモノを引き抜き、春樹を裏返して抱き上げた。  春樹はその時、既にイキまくっていて目は半開き、吐息は荒く、身体に力が入らないままびくびく痙攣を繰り返していた。  その春樹を、胡坐をかいた俺の上に座らせるのだが・・。  当然俺の股間は隆起したまま。  その隆起しまくったモノを、春樹の両足と股を全開に開き、よく見える様にした状態でゆっくりと春樹の中に沈めて行く。  「あ・・・ああああああ!」  春樹はそれだけでもまた絶頂を迎えたらしく、全てが呑み込まれる間も何度もひくひくと体を震わせていた。  その、鏡に映った光景は俺を更なる興奮へと誘った。  (うわ・・・・すっげえ!さっき春樹の中に呑み込まれた俺のが、春樹をこんなにイカせてるのか・・超気持ち良さそう)  「すげえエロい・・・。雑誌やDⅤDなんかより、ずっと・・・・!」  思わずそんな間抜けな事を口走ってしまう程、ぞくぞくする様な興奮が止まらない。  そのまま、上下に腰を動かしてみる。  春樹は悲鳴を上げながら、何度も何度も身体を震わせた。  接合部からは雫が滴り、止まらない。  パンパンと腰を打ち付ける度に、露が泡立ちながらぶちゅぶちゅ・・と音を立てて尻の谷間を滴り落ちた。  春樹の膣はまるで熟れ切った果実みたいだった。  甘い熟れた香りのする窪みの奥に肉茎を突っ込んでかき回すと・・甘い匂いを纏った果汁が、とろりと蜜の様に糸を引きつつ滴り落ちて来る。  そしてその果実は、俺の肉茎を離すまいとキュウキュウ締め付けながら、ねっとりと纏わり付いて来るのだ・・・。  俺はその甘ったるいフェロモンの匂いに完全に酔っていた。  その時急に・・何かが身体の奥からこみあげて来た。  「ヤバイ、出る」  春樹は何度も小さく  「やだ、もう・・待って・・お願い・・・・」  と哀願して来るが・・・もう止まらない。  俺の肉茎の根元の瘤が隆起し、それと同時に春樹の奥に大量の粘液が放出された。  「いぃっ・・・いやああああぁぁぁ・・」  春樹は何度も身を撓らせながら絶叫すると、そのままぐったりとして動かなくなった。  俺が全てを吐き出し終え、春樹の窪みからモノを引き抜くと・・・。  とろりと白く泡立った粘液が、半開きになった春樹の窪みから滴り落ちて来た。  (うわ・・・・何つう景色なんだ・・・えっろ)  その時、アルファである俺にとって堪らない匂いのする春樹の首筋はずっと、無防備なままだった。  (今日は春樹から誘って来たんだから、もう番ってもいいよな)  そう自分に言い聞かせ、俺にそうやってすべてを委ね切っている春樹の項に、もう何度も歯をかけようとした。  だが、どうやっても俺はあの存在・・”冬馬”を無視できなかった。  何度も何度も、フェロモンに浮かされて項にかぶりつきそうになった。  だが俺はその度に何度も理性を奮い立たせ、踏みとどまった。  その代わり、俺は春樹を責め立てた。  その後、俺はただひたすら獣の様に春樹を貪りつくした。  後背位にして何度も貫きまくって、失神しかかった春樹に止めを刺すかのように、瘤を隆起させ、逃げられない様にがっちり腰を掴んで春樹の奥に粘液を流し込んだ。  春樹はもう、小さな悲鳴すら上げる事無くなすがままに身を委ねている。  だが時たま、激しい波がやって来るのだろう。  急に激しく背を撓らせ、俺の名を何度も呼びながら  「親葉・・親葉、あ・・ああああああ~~~!」  と絶叫しつつ、身体を震わせるのだ。  鏡に映る春樹の、普段の生活からは想像もつかない痴態と表情は、俺にとって最高の・・・そして秘密の宝物になった。    その後俺が三度目の絶頂を迎え、春樹の中にタップリ流し込んだ時にはもう、春樹は失神したままピクリとも動かなくなってしまった。  俺は最高に満足し、果ててしまった春樹を抱いてそのまま眠りについた。    再び目覚めたのは、夕日が辛うじて地平線に色を残している位日が暮れた時間。  何度もしつこく鳴る携帯のアラームにたたき起こされて、だった。  ベッドサイドに放り投げた携帯を、眠い目を擦りつつ覗き込むと・・。  母さんからの着信が鬼の様に来ていて青ざめた。  「ヤバイ春樹、母さんがめちゃ怒ってる!」  慌てて、春樹を起こしたのだが・・。  春樹はもうヘロヘロで、身体に力が入らない。  証拠隠滅のためにシャワーだけは浴びたが・・。  仕方無く、春樹は俺が背負ってシャワーを浴びさせた。  結局、フロントでタクシーを呼んでもらい実家に帰宅した。  帰り際、タクシーの中で春樹が口を尖らせながら  「酷いじゃないか、抱き潰すまでヤリまくるとか・・。明日俺、朝から当直なんだぞ」  そうぼやいていた。  だから俺も、  「お兄ちゃんぶって、俺を誘惑する春樹が悪い」  しれっと言い返してやった。  春樹は真っ赤な顔して逆上しかかっていたけど、何も言わなかった。  ただ一言だけ、  「誕生日おめでとう、親葉」  頭を軽く撫でながらそう言って微笑んでくれた。
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