双子座の片想い

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<24>  翌朝の事。  冬馬はトイレに立とうとした瞬間、窪みと腰にとんでもない激痛が走り、そのままへたり込んでしまった。  「・・痛ってえええええ!」  身体は何故か素っ裸。  何時ものベッドではなく、ソファに寝ていた。  しかも毛布が掛けられていたが、どうやって毛布を出したのかが思いつかない。  腰はとにかく、ずんずんとした鈍痛が止まらない。  窪みはまるで、数か所にカッターの刃でも刺さってるかのように奥の方までひたすら痛い。  のたうち回りたくなる位の激痛に、思わず絶叫してしまった。  「い・・いたっ、痛ってええええええっ!!!」  「どうした、大丈夫か?」  その時、シャワーを浴び終えた親葉がやって来て身体を支えてくれた。  「さ、サンキュ・・・」  そう言いかけた時、数時間前の惨事を思い出してしまった。  「・・・お~ま~え~・・・・」  思わず親葉に拳を振り上げたものの、その瞬間に窪みと腰と腕に電流が走った。  「痛ってえええええ!」  またもへたり込んでしまった涙目の冬馬に、親葉が  「すまなかった、つい」  ・・テヘペロ的な表情で、ライトに明るく謝罪して来た。  それだけでもかなりイラっと来たというのに。  その後、ソファの袖にどうにか掴まりながら立ちあがり、そろぉ~~っっと壁伝いに風呂に向かおうとしたのだが。  「大丈夫か?俺の所為だし、手伝うから」  すかさず腰に手を回し、入浴を手伝うテイで付いて来た親葉のその表情が、もう完全に「襲う気満々」だった・・・。  「ほら俺の肩につかまって。まずはベッドまで行こうか、具合を見るから」  「サンキュ・・・」  「・・・そのあともう一回したいんだけど、いい?」  ・・・・腰周りををさすさすされ、頬にキスをされた。  一瞬凍り付いた冬馬は怒りと痛みで半泣きのまま、  「今すぐ手を離せ、そして死ね!」  そう捨て台詞を吐いて親葉を振り払い、ふらつきながら風呂に向かった。  ようやく風呂に着き、熱いシャワーを全身に浴びた瞬間。  「・・・ううっ」  身体がぶるっと震えた。  同時に股間をつうっ・・と、何かが糸を引きながら垂れて来た。  ・・・それは血の混じった、イチゴミルクのような色の粘液。  親葉はどうやら、初めてだった冬馬に中出ししていたらしい。  「・・・あの野郎・・・絶対ブッ殺す」  羞恥と屈辱で顔真っ赤の冬馬は、やはり半泣きだった。  昨日から余りに許容外の出来事が一気に続いて・・・もうパニックになりそうだった。  (兄さんはあんな奴のどこが良かったんだ!クッソ・・・)  心で愚痴りながら、どうにか飛び上がりそうな痛みを堪えて尻の窪みから精液を指で掻き出した。  その腕も、今日になって痛みが増して来た。  その後、シャワーを浴びて出たのは良いのだが・・。  余りの痛さに立っていられない。  かと言って、痛すぎて座る事すら出来ない。  取りあえずトイレに籠城したのだが・・。  (便座なら、傷口に何かが触れる事無く座れるため)  そうは言っても、長く座り続けると患部が押し広げられてやはり痛い。  「なあ、「痔」の薬とか、置き薬の中に無いのか?」  親葉が涼しい顔で、救急箱の場所をしれっと聞いて来た。  だが・・。  「「痔」はなった事無いから無い。そもそも薬は下の診療所にしか無い」  そう言ったら、親葉は素早く場所を確認して取りに行ってくれた。  ・・・しかし、ここからが地獄だった・・・・。  「ほら、塗ってやるから見せて」  「嫌だ!自分でやるから薬を置け!」  「でも自分じゃ、傷口は見えないじゃないか」  「だとしても!お前みたいなけだものにやられたくは無い!とっとと寄越せ」  暫くはその押し問答が続いたのだが・・。  埒が明かないと感じたのか、急に親葉が冬馬を抱き上げてベッドルームに連れて行った。  冬馬はまたも、貞操の危機を感じて抗おうとしたのだが・・。  親葉は暴れる冬馬を軽くベッドに放り投げた。  当然冬馬は、着地の際の痛みに絶叫する。  「い・・痛ってえええええ!」  その瞬間を狙いすましたかのように、親葉は冬馬の股を押し広げた。  「・・もう観念してくれよ」  「うるせえ、加害者が偉そう言うな」  「まあまあ、さっきちゃんと謝ったんだし」  「あんなの謝罪の内に入るか・・・くうっ」  直後、指にタップリと付けられた消炎薬を擦り込まれるのだが・・。  一つ一つ傷口を見ながら、太い指で薬が塗り込まれる。  しかし、ただの医療行為の筈のその治療がかなり辛かった。  親葉は、嫌らしく指を少しづつ増やしながら、冬馬の反応を確かめる様に指を動かして来るのだ。  「薬、塗るだけなんだろ?あんま、指動かすな・・・・」  「折角なんだからちゃんと塗りたいじゃないか、黙って」  親葉はその言葉を見事にスルー。  しかもその指、迷いなく入り口から次第に奥に突き進んでいく。  悲しい事に、指に塗られた薬がその指の侵入を手助けしているせいで、親葉の指は止まるどころかエスカレートしていく。  その指があるポイントを擦った時、思わず身が撓り  「ひっ・・・・あ!」  小さな悲鳴を上げてしまった。  すると、親葉はニヤリと冬馬に見えぬ角度でこっそりほくそ笑むと、それ以上何もせずに指を引き抜いてしまった。  その後親葉の薬の蓋を閉める動作を確認し、冬馬は安堵の表情を作った。  ・・・・だが。  冬馬はほっとしたのと同時に、親葉の余りに引き際の良さに一抹の不安を感じていた。    ・・・その不安は完全に的中。  診察に支障をきたすレベルでヘロヘロの冬馬に代わり、その日は医師免許を持つ親葉が医院の患者の診察を行った。  (そもそも今日帰宅予定だった親葉には夕方まで自由にできる時間があった)  冬馬は横でちゃんと監督していた。  但し・・・。  (受付の君島さん(既婚・出産経験あり)から、ムートン円座の座布団を借りて椅子にどうにか腰掛けた)  結果、イケメン二人に囲まれて診察されるとあって、今日の患者は減るどころかひたすら増え続けて大わらわだった。  ・・しかしまあ、流石春樹が見込んだ男・・という事か。  親葉の手腕は当然のように良かった。  (奥浜名湖で高校の養護教諭をしていて、普段から人あしらいが上手なので当然)  診察はおおむね何のトラブルも無く、無事午前の部を終わらせられた。  (むしろ、ハーフの若いイケメンが診てくれるとあって大盛況だった)  ・・・だが二度目の地獄はここから。  「イ・ヤ・だ!」  「だ~か~ら~、そんなんじゃ、何時まで経っても治んないだろーが」  「治ったらまたお前に襲われる!」  「・・・もう、仕方無いな」  またも、力ずくでベッドに転がされてズボンとパンツを引っぺがされ。  こっぱずかしい格好で(股全開)、親葉に薬を塗り込まれる・・。  (・・もう、何のプレイなんだよコレ)  その時、親葉が仕掛けて来た。  薬を塗るテイで、冬馬がさっき触られて飛び跳ねた敏感なポイントを執拗にいじり回して来た。  「おまっ・・・うああ!やめ・・・・」  「丁度良いだろ、薬塗るんだからついでで」  「ついでって・・・くううっ・・!」  親葉が調子こいて、執拗に冬馬の中をかき回して来る。  未だ塞がったばかりの傷口はどうにか耐えていたが、冬馬の精神はもう限界だった。  「もういい加減にしろ!お前のお遊びに付き合ってられるか!こんな事しかしないんなら、もうとっとと帰れ!」  その時ばかりは痛みなんか二の次で飛び起きて、思い切り親葉を怒鳴りつけた。  でもやはり痛いモンは痛い・・。  直後に腰と尻を押さえて絶叫した。  「ぐわあああ!超痛てええええ!」  ベッドの上で再びのたうち回る冬馬に、親葉が急にしおらしく頭を下げた。  「すまない、全て俺が悪いのについ調子に乗ってしまった」  「・・・なっ、なんだよ急に」  流石の冬馬も、急にしおらしくなった親葉に驚いた。  「冬馬が嫌がる事はもうしない」  親葉はその後、ふざけることなく患部に座薬を入れ、飲み薬を飲ませてくれた。  腰と腕には、鎮痛消炎成分最大配合のフェイタスZ(市販薬)が数枚張られた。  ・・・しかし、冬馬は小児科医。  ”痔”専門の薬は、今朝取りに行った医院の薬剤保管庫にもストックは無い。  まして、今親葉が冬馬の治療に使った薬は大人用、それにどれも医師の処方箋が無ければ買えない薬の筈だ。  それを何故親葉が持っているのか・・またも一抹の不安を感じたのだが、もう直ぐ午後の診療時間だ。  冬馬は仕方なく、冷蔵庫にストックされたゼリー飲料を一気に飲み干してまた二階に向かった。  結局午後は、イケメンハーフの親葉を一目拝もうと口コミで増えた野次馬ママ達(+子供)ですさまじい盛況だった。  小児科医院だというのに、一階の階段前から二階の診療所まで長い行列ができてしまい、人気のラーメン屋か何かと勘違いしたサラリーマンが並びそうになったりもしていた。  結局午前に増して多くの患者をさばき、自宅に戻る頃には冬馬は心身ともに疲れ果てていた。  「・・・儲かったんだから言いっこなしなんだろうが・・。大した理由も無く来た野次馬が多くて疲れた・・・」  冬馬はフラフラ状態で自宅にどうにか戻り、ソファにごろりとうつ伏せで横になった。  「身体は大丈夫なのか?」  そう尋ねて来た親葉に、  「お前の所為とは言え、助かったよ親葉。お前がいなかったら、流石に今日はどうにもならなかった」  冬馬はそう言い、力無く微笑んだ。  その言葉を聞いた親葉が急に、ソファに横になったままの冬馬に土下座して来た。  「すまない冬馬、このままでは俺は死んでも死にきれない。どうか俺に慈悲をくれ、頼む!」  ・・・などと急によく分からない事を言い出した。  「・・・ど、どうした?」  冬馬は最初こそ焦ったものの、親葉の余りの必死さに思わず頭と背をそっと撫でて  「話してみろよ、内容聞いてみなけりゃ判断できないだろ」  そう優しい声で尋ねた。  すると親葉は急に冬馬を抱き上げて、ベッドルームに向かった。  そしてベッドにそっと横たえると、冬馬を強く抱きしめて  「一度だけの思い出でいいんだ、冬馬ともう一度ちゃんと最後までしたいんだ!頼む!」  必死に懇願して来た。  冬馬は最初こそ呆れかえっていたが、余りに必死に頼み込んで来る親葉を無下にも出来ず、悩むだけ悩んで大きな溜息を一つ吐いた。  「これっきりで勘弁してくれ」  そう告げた瞬間、親葉は迷わず冬馬を押し倒して何度も何度も口腔を愛撫した。  「・・んぅ、ふう・・っ・・・は、あ・・・・」  絡み付く舌は、何度も執拗に冬馬に擦り付き、息つく暇を与えなかった。  冬馬はその激しいキスの間に衣服を剥かれて、ほぼ丸裸にされていた。  親葉は冬馬がほぼ裸になったのを確認すると唇を離して、自分の衣服を乱暴に脱ぎ捨てた。  そして自身の肉茎に、二階からくすねて来た医療用のゼリーをタップリ塗り付け、冬馬の窪みにも指に絡ませたものを擦り付けた。  「入れたい、いいか?」  親葉は冬馬にもう一度、確認して来た。  その殊勝さに、冬馬が思わずクスリと笑った。  「何度も言わせんなよ。・・いいよ」  その時親葉が軽く目を見開いたのを、恐らく冬馬は気づかなかっただろう。  その親葉の目には、うっすら涙が浮かんでいた。  「ゆっくり入れるから、少しだけ我慢してくれ」  仰向けで足を押し広げられた状態で、親葉のモノがゆっくりと冬馬の中にずぶずぶ呑み込まれてゆく・・。  昨日は余りの痛さに絶叫した。  なのに今日はそれがなぜか気持ちいい。  最初の挿入時こそ痛みを感じはしたものの、その後は痛みより快感がダントツに勝った。  身体にびりびり電流が走ったような、そんな感じがして体中がむず痒くて堪らない。  (・・・何だこれ、ヤバイ)  今まで感じた事の無い快感に、身体がひくひくと震えた。  春樹と寝た時も、その他の女性や男性型オメガと寝た時も、気持ちいいのは主に股間の肉茎だけ。  ・・・こんなに身体中で快感を感じる事は無かった。  未だ挿入途中だというのに・・我慢できずに思わず声を上げてしまった。  「止めろ・・これ、変になる・・・ッ!ああああっ」  その時冬馬は、ただ挿入されただけで絶頂を迎えてしまったのだ。  「う・・ああああっ!・・はあっ、はぁ・・・・・はあぁ・・」  幾らも経たぬ内にすぐイってしまい、涙目でがくがく体をゆする冬馬を、親葉は愛おしそうに抱きしめた。  「やっぱり、俺の思った通り・・。冬馬のイキ顔、春樹と同じでトロットロ。凄くセクシーだ・・・責め甲斐がある」  親葉は一旦モノを引き抜き、そしてまた根元まで突き込んでは引き抜く。  ソフトに数度それを繰り返すと、冬馬は激しく背を撓らせてまた叫んだ。  「・・・ヤダ、抜いて・・・だめだ・・・イクぅっ!」  再び身体ががくがく揺れ、冬馬の肉茎が白い粘液を吐き出した。  「冬馬、凄い・・・俺のモノをキュンキュン締め付けて来る。・・超エロい」  その時、冬馬には親葉の言葉など最早聞こえてはいなかっただろう。  「はあっ・・・はあぁ・・・はああぅ・・・・・」  肩で息をしながら、必死に飛びそうな意識を保つので精一杯だった筈だ。  その後も親葉が果てるまで、冬馬は組み敷かれた親葉の下で悲鳴を上げ続けていた。  「いやぁ・・ウあああ!もう動くな・・・・ひいいっ・・」  その表情を見つめながら、親葉は満足気に冬馬の中に熱い粘液を解き放った。
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