手紙の帰り道

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「――ってことでこんな暑い日に学校に来たってわけ」  説明している間に学校に着いたので、私と北条は自転車を置くために駐輪場にいた。 「うわっ、何それすげえ面白そうじゃん! 見せて見せて」  私はリュックから手紙を出して北条に見せた。するとすぐに、 「AからZって、アルファベットかよ」  とつぶやいた。  それだ! アルファベットだ。  私は北条からすぐに手紙を取り上げた。  なんでこんな簡単なことに気が付かなかったんだろう。勝手に人のイニシャルだって決め込んでた。  はあ、暑さで頭が回らなかった。そういうことにしよう。  北条は驚いた顔で言う。 「おいなんだよ、中身を見せてくれなきゃ一緒に考えらんないだろ」 「一緒に考えてなんて言ってない。それに部活があるんでしょ」  私はさりげなく一緒にこの手紙の謎に挑もうとする北条を一蹴した。 「……はい、そうです」  少し残念そうな北条を置いて昇降口に向かう。 「待て待てブンコ。じゃあこうしよう、俺は部活に行くから、その代わりお前は全部解けたら真相を教えてくれよな」  その代わりって、一体なんの代わりに私がそんな面倒くさいこと、と思ったけれど今北条がつぶやいたことは間違えなくきっかけになった。面倒くさいけれどそれくらいはいいか。 「わかった、次会った時には説明できるようにはしておく」 「じゃあ楽しみにしてるぞブンコ。とりあえず五時には部活終わるから」  北条はそのまま校庭の方に走っていった。  え、部活終わるの待ってなきゃいけないの? 「……はあ」  私もそろそろ図書室と職員室に行かなければ。  何度もこの暑さを感じるのは嫌だから今日で解ければいいんだけどな。
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