美肌神社

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「神社の御利益があったら遊園地でも水族館でも付き合ってあげる。返事がないってことは、OKってこと?じゃあ土曜日決まりね。金曜日は勉強しないで早く寝よっと」  美月はそう言って半ば強引に決めた。美月は高校三年生だ。だから大学に行くための受験勉強がある。連日連夜、テレビを観るのも我慢して教科書や参考書と睨めっこだ。何としても国立の大学に行きたい。その大学には憧れの女の先輩が行っているからだ。同じ華道部だった先輩は美月と同じで吹き出物に悩んでいたが、今頃どういう大学生活を送っているのか。美月は楽しそうな未来を想像して目が細くなる。  でも、ボロボロお肌の原因はそこにある。高校三年生だからという言い訳をいうが生活が不規則だ。毎日のように夜遅くまで起きていて油と砂糖たっぷりの夜食まで食べているんだからお肌も危機的状況になる。でも原因が受験のためだとしても宏太くんも同級生。同じような生活をしているのに美月と違ってお肌は綺麗に白くて滑々。美月の悩みなんか宏太くんは分からないんだろう。体質が違うってことか。
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