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羽菜が他の人との会話を終わらせてそろそろ帰ろうとしたら上原が呼び止めた。
「?…あ、上原君、黄金井君」
「お疲れ様…今日で辞めちゃうんだなぁ」
「お疲れ様…今までありがとうね」
「いいや…こちらこそ色々ありがとうな」
「ううん…黄金井君もがんばってね」
「あ、はい…」
「それじゃ…」
羽菜は簡単な挨拶をしてそそくさに帰って行ってしまった。
「ああ…行っちゃたなぁ」
「そう…ですね…」
「…どうしたんだよ…黄金井…この間から様子が変だぞ大丈夫か?」
「…大丈夫ですよ…ただ…どうしていいのかわからないだけです…」
「はぁ?…何がわからないんだ?」
そう言った一正に疑問に思って首をかしげて上原はそう尋ねた。
「別に何でもないですよ…それじゃ…お先に…」
そう言って黄金井は帰って行った。
「ハァー…俺、本当どうしちゃたんだろ…(あの時からずっと高根先輩のことばっかり考えてる)」
その答えが見つからないまま一年が過ぎて一正は家を継いで社長となっていた。
「あ、あった…ようやく見つけた…何処、探しても人気があるから直ぐになくなちゃうんだよな"花咲夢見"(…高根先輩がんばっているんだなぁ) 」
社長になってから1ヶ月がたったある日
一正は羽菜が書いた。小説の本を仕事、終わりに探していた。ようやく見つけた本を買ってお店を出たら
「社長がこんなところで何をしているんだ…」
「げ…いや…その…ちょっと本を買いに…」
「まったく…社長になって1ヶ月になるというのに…まったく自覚がないのだからな…」
「あはは…いいじゃん本ぐらい買ったて…」
「そんな物ネットで買えばいいだろ…」
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