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黄昏時の鬼ごっこ-クルマ-
はっと気がつくと、僕は坂の上にある校舎から車で出てきました。
ふと横を見ると、高校の友人のBが車を運転してくれています。彼は無言でガラスの向こう側を眺めました。
僕らの車が校門を抜けると、そこにはもう一台車がありました。
ハイビームがつきっぱなしで、僕は思わず手で顔を塞ぎました。
そうだ、僕たちはこれに乗ってこの場所に来たのです。
「後であの車も取りに来なきゃね」
とBに言いました。
それきり、またBは黙りました。
高校の前にある坂を、車はゆっくり降りて行きます。
僕もしっかり運転できるようにならなければ。
すっかりギアの使い方も忘れてしまって、坂道は降られないぞ。
と僕は思いました。
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