ラジオジャック

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ラジオジャック

「さあ始まりました我が高校伝統。昼休みの校内放送、生徒会のお悩み相談レイディオー! 今日もお相手はガリヒョロメガネだけどお調子者! わたくし生徒会長の斎藤と」 「クールで美人、さらには毒舌。副会長の渡辺です。……このプロフィール紹介、もうやめません?」 「さあさあさあ早速お便り読んでいきますよー。R.N.(ラジオネーム)『恋する紫陽花(あじさい)』さんからです」 「恋ですか」 「梅雨の晴れ間に恋ですね! では読みますよ。『好きな女性への誕生日プレゼントで悩んでいます。高校生でお金もあまりありません。どうしたらいいでしょうか?』……なるほどぉー。たしか副会長ももうすぐ誕生日ですが」 「……なんで私の誕生日知っているんですか? まぁそうですね……まずはお金を貯めて出直してきてください」 「辛辣! でもそれが副会長! 恋にはお金がかかるようですねぇ。アルバイトでもして高価なプレゼントを買いましょう。では次のお便り。R.N.(ラジオネーム)『ツインテールで逆立ち』さんからです」 「……どういう状況ですか」 「『好きな人のタイプが聞き出せません。どうしたらいいでしょうか』……今日も恋のお悩みが多いようですね。ちなみに副会長はどんな男性が好みですか?」 「私の好みはどうでもいいでしょう」 「まあまあまあまあ。いいじゃないですかー」 「……そうですね。強いて言えばスポーツマンで寡黙な方が好みでしょうか」 「………………そうですか。では次のお便り」 「え、今の終わりですか?」 「R.N.(ラジオネーム)『三度の飯より』さんからです」 「続きが気になるR.N.(ラジオネーム)ですね」 「『女の子に告白しましたがフラれました。理由は頭がいい人が好きなんだそうです。どうすれば頭が良さそうに見えるでしょうか』……頭の良さですか。副会長、これは?」 「そうですね……。定期テストでいい点をとることはもちろん、文化系の部活動に入るとかどうでしょう」 「それはいい案ですね。生徒会とかも魅力的に見えるんじゃないですか? ね、副会長」 「……私も生徒会なので、生徒会に属する男性を特別魅力的に感じたことはないですね」 「……………………生徒会はおすすめできないそうです。――おっとお時間です。今日はここまで。お相手は生徒会長の斎藤と」 「副会長の渡辺でした」 「ではまた明日!」 * 「まさかあれから十年後、生徒会長と副会長が結婚するとは思わなかったよな」 「ああ、毎日ラジオでフラれ続けていた当時の生徒会長に教えてやりたいよ」 「まったくだ」
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