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そして本当に…少し歳は離れているものの、セルフローラの馬鹿男共なんか目じゃない素敵な旦那様に嫁げるわたくしは幸せ
1つ、懸念といえばまだ会ったことはないが旦那様にはわたくしと8つしか違わない前妻との間にできた女の子、つまり王女殿下がいらっしゃるのよね
わたくしが20歳、その子が12で旦那様は今年30歳になられる。前妻は自国の侯爵令嬢だった方だそうだけれど、元々身体が弱くご息女をお産みになってすぐに亡くなられたと聞いている。そしてその王女は…
旦那様曰く。
『お転婆でね…いやアレをお転婆で片付けていいのか?ダメなような…あ、いまやまあほら、とにかく君を拒絶したりすることは無い。そこは保証するし、あと王侯貴族の令嬢特有の裏やドロドロとは無縁な子だからまあ気楽に接してくれ』
どんな子なのかしら?仲良くなれるといいのだけれど…
「…国の皆様もプラセンタ様のことを誤解されているのですか?」
この子純粋過ぎませんこと?
まあ、だからあんなアバズレに騙されるのかもしれませんわね…殿方は兎も角、女性はラビアーナ嬢に否定的な方もそれなりに居ましたもの…みんな愚かな王太子達に失脚させられてしまいましたけれど
「いえいえ、誤解とは少し違いますわ
わたくしは、王妃となるには強さ…あ、腕っ節ではなく精神の強さですわよ?畏怖されるような王者の風格と申しますか、そういったものが必須だと考えておりました
ニンフォマニル伯爵令嬢は、殿方に好かれやすい方で、まあそれ自体は別に良いのですが王族には向かないと当時は思っていたから批判的だったのよ」
女騎士は何やら考え込んでしまった
そうだ、名前ぐらい聞いておきましょう。
「…はっ!わたくしめはメルダと申します」
そうこうしているうちに国境を過ぎ、最初の町の門前、わたくしが降りる予定の場所に着いた
門の前には、わたくしの最愛の人、顔合わせの時に毎回いる護衛のカリュード、そして驚くほど可愛らしい少女が待っていた
「へ、陛下!王女殿下も自らこの様な場所にまで」
「陛下ではなく、ジョンと呼んでほしいな」
「ホワイトです!これからよろしくお願いしますお義母様!」
そう言って2人で手を取ってくださる。わたくしは顔に血液が集まっていくのを感じた
メルダは「あのプラセンタ様が普通に乙女だ…」と呟いていたけどそれを咎める余裕はわたくしには無かった
ジョン様がカリュードに何か指示を出している間、わたくしのドレスの裾がくいくいと引かれた。
「どうにか、お義母様をお迎えするに相応しい男に調きょ…叱咤激励できて本当に良かったです。
お義母様は想像できないかもしれませんが、以前のお父様はマジで…本当にナヨナヨしていて頼りない人だったのです」
瞳がキラキラしているホワイト様…なんてお可愛らしいのかしら!褒めて褒めてとその瞳が語っているわ!
あと、そのことは存じ上げています。王族とは名ばかりの、気弱な田舎の王。だからこそわたくしのこの婚姻は愚か者共の厄介払いになり得たのですから
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