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14歳
大人になるにつれて夢は小さくなっていく、と担任が言っていた。
だから小さい頃は、夢は大きく持てと教えられるのだと。
確かにわかる。僕だってそうだ。
幼稚園の頃の夢は、ゴジラになって世界を滅ぼすことだった。
小学生の頃の夢は、石油王になって宮殿に住むことだった。
中学生の頃の夢は、プロ野球選手になってメジャーに行くことだった。
ゴジラが石油王を経て人間になった。小さくなってる。
じゃあ高校生になり、さらに大人になればもっと小さくなるのだろうか。
それは少し寂しいな、と受け入れつつも。
心のどこかで、いやそんなわけないと抗いたい気持ちもあった。
だから僕は10年後の自分に向けて手紙を書いた。
内容は一言。
「あなたの夢は何ですか?」
その手紙は担任に渡した。
「10年後の僕に渡してください」
「俺さ、10年後のお前と会える気しないんだけど」
「探し出して渡してください。僕はきっと忘れてるので」
「え、無責任すぎんか?」
「先生を信頼してるんです。それを見たら全部思い出しますので」
「……こりゃあ長生きしなきゃな」
苦笑しながら、担任は僕の手紙を受け取ってくれた。
僕は嬉しかった。
「ま、生徒の夢を叶えるのが教師の仕事だな」
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