無垢なる願い

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おじいちゃんと僕はテレビを観たり、庭で少しボール遊びをした。 案の定おじいちゃんは、すぐに疲れちゃったのでソファでお昼寝したりもした。 夕方になって、おじいちゃんがそわそわし始めた。 ――おじいちゃん、トイレはあっちだよ 僕が教えてあげようとしたら電話が鳴った。 「良かったなぁ。おめでとう!」 欠伸でもした後みたいに目をウルウルさせながら誰かと話している。 電話の向こうから大好きなパパの声が聞こえた気がして、僕は駆け寄っておじいちゃんのズボンを引っ張った。 「無事に赤ちゃん産まれたって!」 おじいちゃんはそう言うと、僕の頭をわしゃわしゃしてから、 顔を近づけて頬っぺたをすりすりした。 少し痛かったけど、こんなに嬉しそうなおじいちゃんは初めてで、僕も嬉しくなった。
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