謎の缶

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松田ヒロは、明日のテスト勉強を終わり、目を瞑って思い切り伸びをした。 深呼吸をして、目を開けると、机の上に缶が置いてある。 「は?なにこれ?」 伸びをする前には無かった。 ドアを見ても誰も入ってきていない。 ヒロは缶を手に取った。 ちょうどツナ缶くらいの大きさで、簡単に開きそうだ。 振ってみると、カサカサと音がする。 開けてみるか? 蓋を捻ると思った通り、簡単に開いた。 折り畳まれた白い紙が入っていて、広げてみると。 手紙だった。 "松田ヒロヘ" 誰だ? 続けて下を読む。 "俺は松田ヒロ。10年後のキミだ。 信じて貰えないと思うが、正真正銘、キミなんだ" ヒロは眉を寄せて、首を捻った。 全くどう言う意味か分からない。 " 信じて貰うために言おう。明日、お前は現代文と物理のテストがある。82点と74点だ。物理は苦手で70点以上初めてだったよな" ギョッとした。確かに明日のテストは現代文と物理なのだ。心臓の鼓動が早くなる。 "キミは天文学好きだよね?素晴らしい事にキミは10年後、天文学者になるよ。その頃には実は物理も得意になってる。実は天文物理チームが、宇宙の力を使って、未来から過去に物を送れる装置を作る事ができてね、まだ小さい物しか送れないから手紙を送った。 本題を言うと、地球に大きな星の欠片がぶつかる。星同士が衝突し、その欠片が地球に向かっている。 予測できなかった。今の段階では、軌道修正できない大きさだ。我々人類が全滅、生き残っても氷河期が訪れ、草すら生えてこないだろう。キミが天文学者になったときには、その星をいち早く調べてくれ。そうすれば、未来が変わるかも知れない。 10年前のキミヘ 松田ヒロより" …どう言う事だ? 確かに自分の筆跡に似ている。 と、ヒロの手が震えた。 これが本当に未来からの手紙なら 俺は未来の俺の為…地球の為に、知られざる星を、これから探さないといけないのか? 未来を自分が変えれるかも知れないのか……? とにかく………明日のテストの点数で、この手紙が本当かウソか分かるかも知れない。 「……。」 ヒロは、物理の教科書を広げ、再び勉強を始めた。
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