4人が本棚に入れています
本棚に追加
お腹に赤ちゃんを授かったとき、病院で受ける様々な検査の中に、それはある。
異常が見つかったところで、どうしろと言うのだろう。妊娠を継続するための検査を受けたはずが、いずれ自分の命すら脅かす病変があると言われ、赤ちゃんを諦めて治療しろと言われるって、何なんだろう。
或いは、そこまで進行していなくても、産んでから治療なり手術して、再発という爆弾を抱えて育児をするのか。
一番軽くて5年生存率86%ってことは、14%に入ってしまったら、赤ちゃんは小学生になる前にお母さんを亡くしてしまう。
そんな状態で産むのは無責任じゃないのか?
いつかあなたちに、そう思う時が来るかもしれないけれど、許してね、こどもたち。
それでも、お母さんは産みたかったの。会いたかったんだ。一度も会ってないのに、あなたたちのこと、もう大好きだったんだもの。
本当は、会えただけじゃ嫌。小学校の入学式、卒業式。だんだん大人になっていくあなたたちと一緒に悩んで、苦しんで。進路の話、恋の話、聞きたい。成人式の振袖は一緒に選ばせてもらえるかな?
でも、できないかもしれないから、まだまだ小さいあなたたちを、嫌がられるまで、毎日ぎゅうぎゅう抱き締めているんだ。
ひとつだけアドバイス。あなたたちが迷ったとき、もう、お母さんがいなかったら思い出して。
喉が渇いてるからって、洋服を買っても満たされないよ。
本当に欲しい物、本当に必要な物を、自分自身によおく聞いて。答えは自分が、きっと、ちゃんと持ってるから。
自分を信じて。あなたたちは、素晴らしい。
そして、十年後の私。絶対生きてろよ!
最初のコメントを投稿しよう!