殺人予定罪

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「時空刑法99条の罪で逮捕する」  そう宣言すると、予定犯罪者が呆けた顔で見つめてくる。それが次第に怒気を孕んだものになっていくのを眺めながら、いつもながらこの仕事に嫌気が差してくる。 「は? 何言ってやがんだテメェ。つかどっから入ってきたんだよ」 「今から10年後。貴方は殺人の罪を犯す。よってその前に逮捕しにきたのだ」 「だから……ッツ! 痛ぇッ! テメェ、何しやがったッッ!」  説得するには時間がかかるし、その義理もない。いつものように我々の時代の手錠をかけると、予定犯者は呆気なく捕まった。まぁ、テレポートどころか、セルプロテクトも開発されていない時代だ。抵抗どころか手錠を視認することも無理だろう。  予定犯罪者を担ぎ、タイムマシンに搭乗する。さて、次の予定犯罪者は……おっと、更新されてしまった。……ふむ、この予定犯罪者に殺されるはずだった者なのか。
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