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―――人間50年
かの信長公も燃える本能寺の中で最後に舞ったと言われている敦盛の一節だ。
戦国時代では50年……
もっと短い人生だった人たちも多かったと聞く。
戦国時代に憧れを持っていたのもある。
私は10年前に30歳ぐらいまで生きられるのならば、十分だと思っていた。
現在の日本では男性が81歳、女性が87歳ぐらいだそうだ。
その中「あたしゃ100まで生きる!」と、宣言している祖母のような人もいる。
だがそんな祖母が数年前に転び、歩けなくなってからは酷かった。
趣味もなく、友人もいない。
それでも生にしがみつく祖母の姿は当時の私にはあまりに醜く、見ていて辛いものだった。
家族や他人に迷惑をかけても生き抜こうと言う精神は素晴らしいが、かけられた側からすれば「こうはなりたくない」という姿でしかない。
私はただ長く生きることに更に魅力を感じなくなった。
どうせこの国で長く生きていても、年金だって貰えるか分からない。
自分の性格では結婚して子どもを育てることなんて想像すらできない。
それからは死に急ぐようにやりたいことはなんでもやっていた。
行きたいところに行き、好きなアーティスト、アニメなどにお金を使いきった。
ただその頃は必死だったのだ
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