44人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「……誰? マコじゃないよね?」
「マコだよ。忘れちゃったの?」
「違う、だってマコは……」
……マコこと、秋山 真は、まるで女の子と見まごうような美少年で、私は彼と再会したら、絶対に好きだと告白しようと思っていたのに。
そのために、10年もの間ずっと想いを胸に秘めてきたのに……。
目の前にいるのは、女の子と見まごうような……ではなく、女性そのものだった。
「……だって、マコは男の子で……」
信じられないような思いで口にする私に、
「性転換して女性になったの。これでずっと、エミとも仲良しでいられるね!」
あの頃と変わらない面影を残す綺麗な顔で、マコが笑って見せた。
……かくして10年越しの私の愛情は脆くも崩れ去り、
だけど、これから10年を越えて続いていくだろう、新たな友情が生まれた……。
終わり
最初のコメントを投稿しよう!