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ちはるの家の近くに着いた時
お父さんの車が止まってなかったので
ちはるは少し安心した。
家に帰ると、自転車を停める音で気がついたお母さんが玄関から出てきた。
『お父さん今日は残業で遅くなるみたいなよ。
お父さん帰っとったらちはる、あんたまた門限で怒られとるとこじゃったで。』
『うん。ごめん。』
ちはるのお母さんは
拓也に気付いていなかった。
拓也は大きな声で挨拶した。
『ちはるさんのお母さん!はじめまして小笠原拓也です!今日は俺らが帰り支度が遅かったせいでちはるさん巻き込んでしもーて、すみませんでした!ちはるさんは門限までに帰りたいよーたんですけど、ほんまにすみません。』
ちはるのお母さんは笑顔で返事をした。
『そうね、女の子あんまり遅くまで遊ばせる親なんかどこもおらんけぇね。今度からはちゃんと時間守って帰らせるようにちはるにも言ってやってね。でも家まで送ってくれてありがとうね。』
そう言って
ちはるとちはるのお母さんは
拓也を曲がり角の横断歩道まで見送った。
家に帰ると拓也に興味津々の母は
ちはるを質問攻めにした。
『小笠原君、何歳なん?』
『2個上』
『なんしょーる人なん?』
『土木らしいよ』
『どこで知り合った人?
同じ学校の人じゃないじゃろぅ?』
『うん、塾のまみおるじゃろ?まみの彼氏の友達』
『あーそう。やんちゃそうじゃけど、あんた一緒になって変なことだけはしないでよ。あー、お母さん心配じゃわ。』
『大丈夫だって!別にもう関わらんじゃろうし!だってメアド交換しとらんのんよ!』
ちはるが家に着いた時
すぐに母が玄関に出てきてしまったので
なんとなくお互いに連絡先を聞かないままだった。
ちはるがお風呂から上がると
ウィルコムの着信を示すライトが光っていた。
相手はまみからだった。
23時過ぎちゃってるしな〜
まみと電話したら切れないしな〜
そんなことを考えていた。
ちはるは寝たフリをして
電話に出なかった。
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