喫茶店ポーチにて

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喫茶店ポーチにて

 翌朝、瓜田が迎えに来て2人は少し距離を開けたまま会話もせずに駅に向かった。  坂下駅の改札口の外に侑香が先に来て待っていた。 「未藍ー!!大丈夫だった?ほんとビックリしたんだから!!話によってはコイツも警察に突きだすからっ!」と、駅前の交番に目をやった後、思い切り瓜田を睨んだ。  瓜田は侑香に半分背中を向け何も言い返さない。  ポーチは坂下駅からほど近い雑居ビルの地下にある喫茶店だ。少し薄暗く大人っぽい雰囲気で瓜田は場違い感でおどおどしていた。  まだオカルト研究部の人たちは到着しておらず観葉植物の影になり人目につきにくい席に3人で座った。 「ユウ、今日は来てくれてありがとう。これからどんな話になるか分からないけど、どう思うかユウにも聞いて欲しいの。」 「う、うん。」  侑香も昨日、未藍から隠里の名前を聞いていたので行方不明事件が関わっているかもしれないと思いながらやってきた。  小学生の時、事件は大きな話題になった。中学で未藍と知り合い行方不明になった女の人の娘だと噂で知ったが、それとは関係なく気が合い仲良くなった。沙耶(さや)も同じだった。 「遅くなりました。」  部長と1年の高井、そして前回はいなかった2人、鈴木と飛島(とびしま)が加わった。 「まずは怪しまれる行動をしてしまったことを謝らせてください。すみませんでした。」 「まぁ、私もそれで助かったので……。」  許すとは言わないが、怒りは収めておくことにした。 ーーそして部長が話し始めた。未藍にとっては想定内の内容で、侑香にとってはとても信じられない奇想天外な内容だった。
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