「久しぶりじゃん!こんなところで会うなんて!」

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「久しぶりじゃん!こんなところで会うなんて!」

驚いた。 中学の同級生とバッタリ会ったことより、彼女が随分と綺麗になっていることに。 たしかに、今思い返してみれば、顔立ちはハッキリしていて、ちっちゃくて、かわいい部類だったかもしれない。 それでも、少し控えめな性格だっただけで、「イケてる女子グループ」に属していなかっただけで、自然と度外視していた。 そんな彼女と偶然出会って、しかも、自分のことを覚えててくれたことは驚いたし、シンプルに嬉しかった。 僕なんて「イケてない男子グループ」では偉そうにするクセに、「イケてる男子グループ」の前ではいじられることでしか存在を見出せない人間だった。 初めてカミソリで剃った眉毛も、ナカノのワックスでガチガチに固めた髪も、マイネームペンで名前の書かれた白いブリーフパンツも、全ていじられた。 ブリーフからトランクスに履き替えたのはいつだっただろうか、と全く関係ないことまで考え始めたとき、彼女が「ひとり?」と尋ねてきた。 僕は強がって、思わず、「あー、友達3人と来てるんだけど、今別行動で」と答える。 「あ、そうなんだ…」と、どこか残念そうな彼女だったが、「じゃあ、私も行かなくちゃ」と手を振り、笑顔で去っていく。 まさか、彼女もひとりだったのだろうか。 こんなところで?女の子ならありえるか。 ただ、男でひとりは恥ずかしすぎる。 ひとり、と答えたらどうしたのだろうか? もしかしたら、僕のことを誘いたかったのかもしれない。 ひとり同士、一緒に回らない?と。 ナカノのワックスでベトベトの髪にミッキーの耳をつけた僕は、去っていく彼女と背景に映るシンデレラ城を見つめた。 こいつ、おれのこと好きなんかな
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