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【弔辞】
おじいちゃん。
いまから、お手紙を読みます。
おじいちゃんにお手紙を書くのは
何年ぶりかな。
敬老の日に、
お手紙を書いた小学生の頃以来
だから、もう10年前のこと?
あのね。
何を書いたらいいのか
わからなくて、
昨夜、さつきおばちゃんと、
おじいちゃんの事を
話したんだよ。
お通夜で大号泣したのに、
その時は、冷静に笑ったり、
愚痴を言ったり、
とても不思議な時間だった。
わたしが1番孫だから、
このお別れの手紙を書いて
読むことになったけど、
私たち6人には、
おじいちゃんとそれぞれの思い出があったね。
でも昨日、
全員が初めて知った事があった。
あのね。
私たちみんな、
おじいちゃんちの庭にあった
大きな柿の木が、
怖くて怖くて、
夜になると、
あの木が動き出すんじゃないかって、
風で葉がゆれると歩き出すんじゃないかって、
泊まりに行くたびに、怖かったんだ。
でもね。
あの柿の木、、
いつの間にか、なくなってた。
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