【弔辞】

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あれ、おじいちゃんが、 怖がる私たちのために、 切ってしまったんだね。 とっても、大きな木で、 とっても、おじいちゃんが 大事にしてたのにね。 ありがとう。 わたし、おじいちゃんと 散歩するのが大好きだった。 家から川沿いを歩いて、 おじいちゃんの知り合いの雑貨屋さんや、お豆腐屋に話しかけられながら、商店街にあるおもちゃ屋さんに行くのが大好きだった。 今は、あの川も、埋めたてられて、商店街は、なくなってしまったけどね。 あのね。 おじいちゃん、 わたし、また、おじいちゃんの孫に生まれたい。 この家族に場所に生まれ変わりたい。 輪廻転生という言葉が、 ほんとなら、 また、 おじいちゃんと、 あの道を散歩したい。 また、ふたりで、 手をつないで、 一緒に、散歩しよう。 それまで、 また会える日まで さようなら。
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