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くすっ
穏やかな寝息を立てる君を見つめ、思わず、笑みがこぼれる。
ほんの4時間前、嬉しそうに涙をこぼした君は、今、俺の腕の中にいる。
でも、10年後、もしかしたら、俺たちはこんな風に寄り添いあって眠っていないかもしれない。
そう、俺たちの間には、愛おしいと思える新たな家族が2人くらい増えてるはずだから。
それでも、俺が君を愛しいと思う気持ちは変わらないし、君もそうだと嬉しいと思う。
そしていつか、その子たちが自立したら、俺はまた、君をこの腕の中に取り戻そうと思う。
だから、由貴……
幸せになろうな。
俺は、そんなことを思い、彼女の左手にそっと触れる。
その薬指には、4時間前にプレゼントしたばかりの永遠の約束が、常夜灯のわずかな光を受けて輝いていた。
─── Fin. ───
この作品は
『幸せな夜明け』
https://estar.jp/novels/25656429
と対になってます。
ぜひそちらもご覧ください。
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