親愛なるDくんへ

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10年前のDくんへ 親愛なるDくん。キミと出会って、早10年がたちました。 高校生になったばかりのキミは、とてもまぶしい人でした。ハッキリした性格で、全然物怖じしなくて。一体どんな家庭で育ったのかな、とよく妄想したものです。 そんなキミを、私はいつも思っていました。 入学してすぐにキミが起こした騒動のことを思い出すと、今でも笑みがこぼれます。そういう危なっかしいところも好きでした。 そう、私はキミのことが好きでした。世界中の誰よりもキミを愛し、応援していました。それなのに――。 キミならきっと、学校の人気者になれたでしょう。その行動力、芯の強さ。もしかしたら世の中を変えることだってできたでしょうね。 Dくん、ごめんなさい。本当にごめんなさい。こんな私を許してください。 10年後の世界でキミは――まだ、高校1年目の4月にいます。 10年後の作者より  
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