夏の朧げ

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辺りを見ても、闇が広がっていた。 後ろに戻っても変に道が分からなくなる気がした。 仕方なく、僕は前に進むことにした。 曲がり道があった。 僕はいつも右に曲がる。 利き手だからだ。 ドキドキしながら歩いた。 誰か、いて欲しい。 僕はいつも室内でいることが大半だ。 体力ももうない。 足が痛い。 すると、目の前に明かりが見えた。 助かったと思った。 そこにあったのは、ゲームに出てくるような洋館だった。 人もいるだろう。 インターフォンが手が届くところにある。 でもすぐに押せなかった。 大抵、ゲームだとボス戦の前だったりする。 武器も体力もないにうっかり入ると直ぐに殺される。 そんな場所に今から入るのか。 怖くなった。 戻れなかったらどうしよう。 迷っても仕方がない。 僕は、勇気を出してインターフォンを押した。
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