二話

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二話

あれから三年 僕はデザイナーになった。それも社長に。 「その服のデザインこっちに変えて! あのズボンとその服の組み合わせはどう?」 毎日慌ただしい日々を過ごしている。 帰るのはいつも日を跨ぐのが当たり前になっている。 それでも僕はこの日々が楽しくて仕方ない。 「行ってきます」と花奈の仏壇に手を合わせて言う。 そして、誰もいない家にも「行ってきます」と言う。 『行ってらっしゃい』 そう花奈が言ったように聞こえた。 「ああ、行ってきます」
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