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泣きたいよ……。でも泣けない。するとふと思った。
雨は私の気持ちを代弁してくれているのかな……?
ふとんを抜けて窓際まで走った。窓には大粒の雨がびっしり。暗い外。暗い内。私の心にどしゃ降りの雨が降り注ぐ。あの時の傷にしみて痛い。
心の雨を流して、雨とともに泣いた。辛いよ。苦しいよ。
ただ窓に叩きつけられる雨を見て声を上げて泣いた。こんなことは久しぶりだった。ああ、雨も痛いだろう。降る場所を選べない雨。母なる海や川に降りたかったかもしれない。道に降って次の朝、小さな子どもに長靴で遊んでもらいたかったかもしれない。
ごめんね。
降る場所が私のアパートの窓で。晴れたら蒸発する短い命。
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