母校の逸話

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 私の母校には、ある伝説がある。  非常時、主に避難訓練の際に使用される校舎端の非常階段。  通称『アクロバティック飛び降り台』。  ある少女がそこから飛び降りをしたことから、そう名付けられた。  この名前は現在も使われており、教育実習に行った時、そして教師として勤務している現在も現役バリバリで呼ばれている。  どうやら名前の由来である逸話には尾ひれはひれがついており、少女はいじめを苦にして自殺したとか、非常階段に潜む悪霊が少女を投げ飛ばしたとか、色々派生している。  だが、当然真実は違う。  その少女はそんな理由で飛び降りるハメになった訳ではない。  ただ、格好付けて飛び降りてみただけなのだ。  自分は選ばれし能力者で、謎の使命感に駆られて。  結果、ガッツリ骨折。  否、骨折程度で済んで良かったと言うべきか。
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