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木嶋たちがみるみるうちに1mほど掘り進めると、大きなカプセルが見え始めた。
「あったぞ!」
男性陣がカプセルを持ち上げ、みんなの前に置いた。すぐさま駆け寄り、土を払いのける。今の自分に向けたメッセージや当時大切にしていた物、そして大好きな人との思い出の一品などが入っているのだろう。それぞれが中学当時に戻っていくのが分かった。
でも思い出せない。僕は何を入れたんだっけ?10年前のあの日、みんながタイムカプセルに思い出の品を入れているのを、僕は遠くから見ていた。そしてみんなが入れ終わって、先生が蓋を閉じて鍵をかけた。
鍵は3つのナンバーが揃うと開くダイアル式の鍵だった。忘れないように、ナンバーは「306」。3年6組をいつまでも忘れないように、この数字を選んだと言っていた。
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