にぶんのいちのせんたく

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 かさり、と手紙が音を立てて揺れて、あの人の声が重なる。  もう大丈夫。  懐かしい声に安心しながら、ぱっと目を開く。目の前に現れた世界は明るく、机に散らばる4年3組─僕の教え子たちの手紙には希望が詰まっているのがわかった。封筒の表に書かれた「10年後の自分へ」という字が思い思いに躍動し、未来への期待が溢れ出ている。
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