君が消えた

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2030年、君が消えたことに気づいたのは、やはり6月20日だった。 そういえば今年も20周年企画なんてものがあるのかなと、しばらく見ていなかった小説投稿サイトにログインしようとした。 あ、あれ? ログインできないどころかサイトにつながらない。 何故だ? 半年ぶりぐらいに開いたサイトに異常を感じた。 僕はしばらく放置していたツイッターを開いてみた。 過去の記事をさかのぼって発見した。 『小説投稿サイト「ケムリツター」は2030年6月19日をもって閉鎖いたします。 みなさんご愛顧ありがとうございました。』 「な、なにーっ!!!」 僕が途中まで書いていたあの作品が、君が、消えてしまった。 僕の最愛の『栗林 薫子』と名付けた主人公の君が……。 もちろんバックアップなんか取っていなかった。 突然の君の消失に僕は身もだえた。
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