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働くニキビ娘
「あっ、化粧水切れてる。まぁ、いっか」
金曜日の夜。1週間の疲れがどっと押し寄せてくる。
今週もお疲れ様、私〜。缶ビールを開けて、コンビニ弁当を貪りながらふと卓上の鏡を見ると……。
「お疲れ様ニキ〜」
鏡に映る私のニキビに目と口が生え、喋りかけてきた。
「あはは、酔ってるのかな、私」
「それなりに酔ってるニキ〜」
「ニキビのくせに、男の人の声なんだね」
「ニキビに男女も関係ないニキ〜」
私の頬にできたニキビが、おかしそうに笑った。
「さっき、お風呂上がりに化粧水つけるの忘れたニキね?」
「だって、切れてたんだからしょうがないじゃん」
「そう言ってるけど、化粧水は一昨日から切れてたニキ〜」
確かに、化粧水は一昨日から切れていた。仕事帰りにドラッグストアに寄る元気もなくて、数日間放置しっぱなしだった。
「スキンケアを怠ると、ニキビだらけの顔になっちゃうニキよ〜」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ……!!」
鏡に映された未来の自分。頬や顎に大量のニキビができて、目も当てられない状態だった。
「こんな顔で外出できない! ちゃんとスキンケアします……!!」
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