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妹よ
「私ね、大きくなったら、お兄ちゃんのお嫁さんになるの!」
「あはは。じゃあ、お兄ちゃんはカッコよくいないとな」
妹よ。十年前はあんなに可愛かったのに、十年経ったら、お兄ちゃんのお嫁さんになると思ってたのに……。
「兄貴!また女の子泣かしたろ⁉付き合う気がないなら、やたら優しくするんじゃねーよ!」
妹よ。お前に相応しくなるためにお兄ちゃんは女の子に優しいんだよ。
「兄貴!聞いてんの⁉兄貴がいい加減なことするから私にクレームくるんだけど⁉」
妹よ。そんな外野の言葉を真に受けるのか。お前の愛は他人の言葉で散るものなのか。
「大体、なんでそんな誰でも優しくするんだよ!いつか刺されるよ」
妹よ。涙が出ちゃう。
「何、泣いてんの?はぁ結婚?」
妹よ。顔をそんな真っ赤にして怒ってるの?お兄ちゃんは約束を忘れていない。
「ば、ば、馬鹿じゃないの?そんな小さい頃の約束なんて……」
妹よ。お兄ちゃんは世界で一番、君が可愛いんだよ。
「と、とにかく!女の子を泣かすな!……守りきれないだろ?」
妹よ。そんなにお友達が大事?
「兄貴みたいに鈍いやつには分かんないよ!大事なもの守ることにどんな必死か……」
妹よ。お兄ちゃん、寂しい。
「……とにかく、心配だから馬鹿な真似はしないで!」
妹よ。お兄ちゃんは君に相応しい男になろうとしているだけなのに……。
「あぁ!もう分かった!分かったから!どうせ分からないでしょ?にぶチン!」
妹よ。お兄ちゃん、なんか間違ってる?
「知らない!」
妹よ……。
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