あがき続ける人生も、そう捨てたもんじゃない
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里桜に恋人ができた。 ならば俺は、里桜の幸せを願っていさぎよく身を引く。 そうするべきだ。 告白もできず失恋した男には、それしかない。 だけど、無理だった。 俺は未練たらしくずるずると里桜の側に居座り続け、いつの間にか、透とも家族ぐるみで
親
友
という、わけのわからないポジションに収まっていた。 あれから10年。 この間俺は、里桜が泣いたり笑ったりするのを、ずっと見守り続けた。
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