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あがき続ける人生も、そう捨てたもんじゃない
真っ白なタキシードに身を包んだ羽島透は、俺をみると白い歯をみせて笑った。
「来たのか貴文」
「親友なんだ。あたりまえだろ」
俺は透と腕をぶつけ合ういつものあいさつを試みるが、
「貴文は式に来てくれないんじゃないかと心配してたんだ」
透はふと目を伏せて、
「お前には恨まれてると思ってたからさ」
俺は、
「まあ恨んでるっちゃー恨んでるさ」
透の腕を無理やり持ち上げて、ワザと強めにぶつけてやる。
「だけどお前と里桜がウチを尋ねてきたあの日に、今日の運命は決まったんだろう」
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