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「意識レベルが落ちています……」
医師の言葉に私は大きく首を振った。
「パパ、私の花嫁姿を見るんでしょう? 行っちゃ、嫌だ!」
「……ま……まり……。ごめ……ん。しあわせ……に……」
その言葉を最期にパパは私の目の前で息を引き取った。
「パパ! パパ!」
父の胸の上で泣きじゃくる私をママが泣きながら抱きしめてくれた。
その時私は十五歳。
三年の癌との闘病の末、天国に旅立った父の事を私は永遠に忘れないと心に誓っていた。
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