10年後の君へわたしから

「机の引き出しの中を見て！」

ある日突然頭の中にふわりと浮かんだ言葉。不思議な気持ちになり机の引き出しの中を探った。すると出てきたのは古いノート。そのノートにはうっすらと埃が被っていて所々に染みもついている。

何だろと思い手に取りぺらぺらとページを捲ってみた。これは。そうこれは、思い出した。表紙にはわたしの大好きだった猫のキャラクターが描かれていた。

ずっと、ずっと、大事にしていたこのノートにはわたしの夢がいっぱい詰まっていた。

書いては消してまた書いては消しゴムで消した。だけど、思いはたくさん溢れているのに形にならなかった。