リロ

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リロ

 お前と出会った日のこといまだによく覚えてる。  まん丸い黒い目が果たして俺をちゃんと映していたかは謎だ。お前はよく分からん風に眩しい世界でごにょごにょ動いてた。毛も生え揃わずに、これで生きていけるのかと思った。  お前は昔からよく食うヤツだった。食っても食っても満足しないんで、胃に穴が開いているんじゃないかと心配したくらいだ。  りろろろろ! 鈴を鳴らすような甘え声でねだるから、リロになったんだぞ。知らなかったろ。  よく食って寝て、それから俺によく懐いた。  お陰様で寝不足になったが、りろろ、と呼ばれると俺、うたた寝から醒めてご飯をあげたくなっちまうんだから、ほんと参るよ。
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