「10ねんごのわたしへ」

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「10ねんごのわたしへ」

それは  解読の是非を問えるぐらいの下手な鉛筆文字だった。 何かの形であっただろう紙粘土から出てきたのは、10年前の私が書いたものだった。 黄ばみが激しい紙は、縁をクレヨンで彩られている。 『17さいのわたしへ。おげんきですか。わたしはげんきです。』 それはよかった。 『あなたは どんなおとなになっていますか?』 ・・・まだ未成年だけどね。 『がっこうは  たのしいですか?』 ・・・ぼちぼちってところかな。特に変わったこともないし、中学の頃と比べたらいくらかマシかも。 『わたしは こくごとさんすうがすきです。』 あぁー・・・この頃はまだ好きだったな。今は何とも言えないけどさ・・・。
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