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そう告げた『私』は私に視線を流す。
どうやらもう時間のようだ。
『私』が遅刻してしまったせいで、ただでさえ短い制限時間がさらに短くなってしまったらしい。
それでもいいと、今の私は思い、過去の『私』はそれみたことかと怒る。
未来の『私』は、一体どう感じているのだろう。
その答えはきっと、10年後のこの席で知ることになるはずだ。
私は手元にあった銀の鈴を軽く鳴らした。
ユラリと景色が揺らめいて、『私』達が景色の向こうに消えていく。
そんな、私も入れた『私』達の唇が、揃って開いた。
「さよなら、ご機嫌よう。時の交差点でまた、『私』を『渡す』ためにすお会いしましょう」
【END】
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