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はじめはほんのそよ風で
幼いわたしの髪は
なびいたところでさまにもならなかった
六年の暮らしは元々仮のものでしかなくて
生まれ育ったイギリスを離れ
パパの故郷である日本にきてからも
各地を転々とした
東京は六つ目の街
楽しいはずの高校生活も
わたしにとっては仮住まい
乾いた教室には
冷たさも濡れた瞳もなくて
まともに笑おうともしないわたしが
ポツンと一人
間違いだと
きみは言わなかった
大きく笑って
問いかけもせずに投げかけてきた
「乾いていたのはわたしのほうなの?」
いつしか
わたしは祈るばかり
嵐のように吹き荒れて
風よ
わたしを閉じ込めておいてと
行き先なんて
べつにいらないから
ここで
わたし
自分を見つけたいの
きみが壊したわたしの破片を
糧として
寄り添ってゆける道を
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