風の谷間に

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 ずっと風に吹かれて  ここまで運ばれてきたという気がして  干からびた落ち葉の一つにも  自分を重ねてしまうわたし  こんなふうに思うのは  きっと何かを  あきらめてしまったから  いつも  街の境目を探して歩き回り  そのくせ  自分が失くしたものを探そうとはしなかった  きみと出会う前の  そんなわたしは  来る日も風に吹かれて  どこにいるのかもわからないまま  ただ次の行き先を待っている  時々手紙を書いて  紙飛行機にでもして  この暴風の中に  飛ばしてみたくなる  “何も、あきらめていなかった頃のわたしへ”  “戻る道は、どこですか?”
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