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僕の生きがいは心に秘めた大きな野望とも言える夢の実現だけ。
人生、いじめ抜かれてハードモードだけども夢だけが生きがい。
そんな僕に、信じられないメールが来たんだ。
嬉しかった、とてもね。
*****
…――10年前の君へ。
このメッセージは10年後の僕が君に送った。
そんな事を書いたら君は、こう言うだろうね。
10年後の僕は、夢を叶えているのかってさ。
そうだね。
君の夢は叶ったんだとだけは言っておこうか。
ただ、どんな過程を経て、どんな努力をして、どんな結果を得たのかは敢えて言わないよ。いや、言わない方が君の為だ。もう一度だけ繰り返そうか。10年後、君の夢は叶う。間違いなく成就する。ただね。……いや、止めておこう。言わないでおこう。
もう、そろそろ僕も……とだけはね。
ともかく夢は現実となるのだから、絶対に途中で諦めない事だ。
今、君は、ブラックな企業に努めて社畜と呼ばれ、死にそうな状況に在る事も分かる。
夢が叶うのかって疑心暗鬼になる事も分かる。
分かるけどさ。最後の最後まで諦めない事だ。
君の壮大なる夢、全人類の滅亡をね。
じゃ、僕も逝くよ。人類だから……。
*****
僕の右口角がニヤリと怪しく歪んだ。
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