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「『SF作品が予想した未来、甘すぎる説』って知ってる?」
「何それ、知らない!」
「例えば『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で空飛ぶ車出てくるじゃん。あれって2015年の話なんだよ」
「えー、じゃあ5年も前の話なの!? このペースじゃ、実現するのはいつになることやら……」
「それから『ドラえもん』のタイムマシンの発明は2008年だって」
「……。本当に甘いのね。ドラえもんって22世紀から来たんでしょ。それまでにいくつ未来道具が完成しているのかしらね」
「それを考慮して、僕たちは10年後の未来を予想しようよ」
ダーリンは紙とペンを取り出した。
「現実的に考えるわけね。じゃあせいぜい、携帯電話関連がまた進化するくらいじゃないかしら……。カメラの画質がさらに上がっていると思うわ。あ、ビデオがテレビと同じくらい綺麗に撮れるとか!!」
「おっ、ビデオの画質をそこまで上げるのは難しいかもしれないけど、日常のものに目をつけるのはいいね、ハニー。その調子だよ」
それからも二人は案を出していく。10年とは案外短い。それまでに発展できる科学とは微々たるものだ。周りの物に焦点を当てて、二人は妄想を膨らませる。
「じゃあこれを金庫にしまって、10年後に答え合わせをしようか。何かタイムカプセルっぽくて楽しいでしょ」
金庫に入れようと伸ばした手を止め、あっ、とダーリンは紙に付け足した。
「それから、10年後も変わらぬ愛を誓って」
ハニーは顔が火照るのを感じたが、二人はイチャイチャし始めた。
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