私の運命

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「何処へ行くんですか?」 運転している進藤さんに話しかけてみる。 「そうだな、とりあえず昼飯食べるか。何か食べたいものはあるか?」 食べたいものと言われても急には思いつかない。取り敢えず色んな食べ物を思い浮かべてみる。 「えっと…ハンバーガーとか?」 「ハンバーガー…分かった」 しまった。ついハンバーガーと言ってしまったけど、進藤さんとハンバーガー…合わない組み合わせだ。 今からでも違う食べ物を言った方がいいのだろうか。 しかし時すでに遅し。進藤さんの運転する車はハンバーガーショップに着いてしまった。 近くのパーキングに車を止めて、ハンバーガーショップへ入る。店内には若い客が多く、スーツ姿の私と進藤さんは店内の雰囲気から少し浮いている気がした。 注文したハンバーガーセットを持って窓側の席に座る。私はまずポテトから食べ始めた。 「あの進藤さん、お仕事は大丈夫なんですか?」 「今日の仕事は終わらせてきた。問題ない」 進藤さんはあっという間にハンバーガーを平らげて、優雅にホットコーヒーを飲みながら答えた。 ピリリッ ピリリッ コーヒーを飲んでいる進藤さんの携帯が鳴り始める。着信を確認すると進藤さんは席を外し、外に出て携帯に出た。 私は携帯で話している進藤さんを窓越しに見る。やっぱり進藤さんは忙しそうだ。 それなのに私と行動を共にしているのは、きっとお金もなくお腹を空かせている私に気を使ってくれたのだろう。 第一印象は優しい人。でもそれは仕事の時だけで、実際はクールな性格…かと思えば、やっぱり根は優しい人…なのかな。まだ良く進藤さんの事、分からないや。 そんな事を考えながら、私はハンバーガーを口にした。
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