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「ラストは進藤さん引いて下さい」
私は諦め、進藤さんの持つ荷物を預かり、最後の1回を任せる。
進藤さんはサクッとガラガラを回した。そして出てきたのは…赤玉。
「赤玉、おめでとうございまぁす。こちらが景品です」
福引の店員は当たり鐘を上にあげ、思いっきり鳴らしながら景品を渡してきた。
「わぁ、進藤さん凄い。何が当たったんですか?」
福引コーナーから少し離れて2人で景品を確認する。当たったのは最新の人気ゲーム機&ゲームソフトだった。
「このゲーム機、今めっちゃ人気あるやつだぁ」
「……面白いのか?」
「私はこのゲーム機でプレイした事ないですけど…そもそも進藤さんってゲームとかするんですか?」
「いや、やった事ない」
ですよね~。きっとゲームとは縁のない人だとは思ったがやっぱりだったか。
「たまにはこういう遊びもいいかもな」
進藤さんはゲーム機を見ながら笑みを浮かべる。てっきりこんな物要らないと言うかと思ったけど、意外と庶民的なところもあるんだなぁっと思いながら、思わず進藤さんをじぃっと見た。
「ん?何だ」
私の視線に気づいた進藤さんがこっちを見る。
「あ、いえ…何でもないです」
「じゃあ帰るか」
進藤さんはまた私から荷物を取り上げて、車を停めている駐車場へ向かう。
駐車場に着くと車に荷物を乗せ、乗り込んだ。車の中は今日買った荷物でいっぱいになった。
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